[イスタンブール 24日 ロイター] - ウクライナ産穀物の黒海を通じた輸出再開を19日以降も延長することにウクライナとロシア、仲介役の国連、トルコの4者が17日合意したにもかかわらず、船舶の出発がなかなか進まないでいる。
ウクライナの駐トルコ大使はロイターに対し、先週の延長の成否が不透明だったことに加え、ロシア側が貨物船検査の迅速化や検査チーム増強に非協力的なためだと批判。「ロシアは恐らく故意に検査を遅らせている。ロシアに協力する意向があれば、われわれは検査態勢を改善し検査要員を増やせる。これはロシア次第だ」と述べた。
国連のデータによると、17日から来年3月までの延長合意以降、ウクライナを出航した貨物船は1日当たり5隻未満。夏に最初に穀物輸出が再開してからの数カ月は平均で10隻出航していた。
国連のパラ報道官は、合意延長を巡る不透明感のほか、トルコ・イスタンブールの荒天が検査の障害になっていることや、黒海経由の穀物輸出を監視する4者の「合同調整センター」での要員や検査官交代の影響を指摘した。
23日までの7日間にウクライナを出航した貨物船は計27隻で、1日当たりの検査数はゼロから最大6隻にとどまった。その前週は出航が計36隻で、1日当たり検査数は5─8隻。そのさらに前週は1日最大11隻が検査されていた。10月27日─11月2日の週は計38隻が出航していた。
貨物船検査はここ数週間で4者合同から国連とトルコだけに変わっており、特に直近数日に検査ペースが急激に落ちている。合同調整センターは23日、イスタンブール沖で検査待ちをしている貨物船が約112隻になり、一部は1か月以上滞留していると明らかにした。
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