[キーウ(キエフ) 28日 ロイター] - ロシアのペスコフ大統領報道官は28日、ウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所は今も、今後もロシアの管理下であり続けると述べ、ウクライナ側が指摘した軍撤退観測を否定した。
ウクライナ国営原子力会社エネルゴアトムのトップを務めるペトロ・コティン氏は27日、ロシア軍が今年3月以降占拠しているザポロジエ原発から撤退の準備を進めている兆しが見られると発言。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問も27日遅く、ロシア軍がザポロジエ原発から撤退することは間違いないと発言。国内テレビに対し「防衛ラインはロシア連邦との国境に後退し始めている。(ウクライナはザポロジエ原発を)取り戻す」と述べていた。
ペスコフ報道官は28日の会見で「ありもしないことの兆候を探す必要はない」と述べた。
ロシア政府がウクライナ南部エネルゴダールに設置した地元当局も28日、「報道機関はロシアがエネルゴダールと(ザポロジエ)原発から撤退するとのフェイクニュースを積極的に流しているが、この情報は事実ではない」と通信アプリ「テレグラム」で述べていた。
ウクライナ軍は28日、ロシア軍の装備6台を先週末に破壊し、エネルゴダール付近の戦闘でロシア兵約30人が負傷したと発表した。ロイターは発表内容の真偽を確認できていない。