[東京 29日 ロイター] - アジア時間29日午前の原油先物は下落。世界最大の原油輸入国である中国の燃料需要が厳しい新型コロナウイルス規制下で減退するとの懸念が相場の重しとなっている。
北海ブレント先物は0113GMT(日本時間午前10時13分)時点で0.45ドル(0.5%)安の1バレル=82.74ドル。米WTI先物は0.51ドル(0.7%)安の76.73ドル。
フジトミ証券のアナリスト、田澤利貴氏は中国の需要減退懸念を背景にアジアでは原油相場について弱気ムードが広がっていると指摘。週末に繰り広げられた異例の抗議活動も中国経済への影響を巡る懸念を生じさせたとした。
また、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が12月4日に会合を開くのを前に、市場では慎重な姿勢が継続。ユーラシア・グループのアナリストは28日付の調査ノートで、中国の需要低迷がOPECプラスに減産を促す可能性があると指摘した。
田澤氏によると、一部の投資家はOPECプラスの会合について、相場下支えに向け減産で合意する可能性を見込んでいるため、この日の下げが限定的になっている。