[ロンドン 28日 ロイター] - 世界的な海運大手マースク・タンカーズのクリスティアン・インガースレフ最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、欧州連合(EU)が12月5日からロシア産原油の海上輸送の輸入を禁止し、来年2月5日からロシア産石油製品の輸入も禁止することで、タンカー運賃高騰にはさらに拍車がかかる可能性が高いとの考えを示した。
インガースレフ氏は、欧州諸国などが代わって中東などから買い付けをするようになり、長距離タンカーの引き合いが強まると予想した。ロシアにとっても新たな買い手が必要になると指摘。ロシア産原油の需要が好調なため輸入国は見つかるとしても、ロシアの近くではなく遠い航路が必要になる国々になるとし、タンカーを長く確保する需要が増すとみている。
主要7カ国(G7)を中心に、保険会社などの取り扱うロシア産石油の価格に上限を設定しようとしていることについては、タンカー運賃がどうなるかは実際の上限導入の結果を見極めて判断する必要があるとした。
タンカー運賃を巡っては、業界アナリストも原油と石油製品の双方で運賃高止まりが続き、物価をさらに押し上げるとの見方になっている。