[ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟各国はガス価格の上限設定を巡り、一部の国が高過ぎると考えているEU提案よりやや低い上限案を2日に検討し、少数の国はさらに低い上限を求めていることがロイターが確認した文書で分かった。
EU加盟各国は2日夕に交渉を始め、13日までの合意を目指して急いでいる。
EU欧州委員会は先週、欧州での天然ガス取引の指標となるオランダTTFのガス価格上限を2週間にわたって1メガワット時(MWh)当たり275ユーロ(289ドル)を超え、10日間にわたって液化天然ガス(LNG)の基準価格より58ユーロ高い場合に発動されるようにする上限設定を提案した。
一部の国はこの提案を批判し、高い価格と厳しい基準で設計されているため上限が発動されることはなく、ガス価格高騰から自国経済を守れないと反論した。
2日にはEU議長国のチェコによる修正案について検討。修正案では上限を1MWh当たり264ユーロに引き下げ、発動には2週間ではなく5営業日にわたってこの水準を超えることが必要となる。
ロイターが確認した修正案によると、EUが提案した前月分のガス契約に適用するだけでなく、四半期前までの契約にも適用するとしている。
上限を設けるかどうかを巡っても各国の意見が分かれているため、外交筋は何らかの合意がなされるまでに案を何度も修正する必要があると予想している。
少なくとも5カ国はさらに低い上限を要求。イタリアとポーランド、ギリシャ、ベルギー、スロベニアは今週示した文書で、1MWh当たり160ユーロというはるかに低い固定上限か、既存のLNG価格の基準に対して75%を固定、25%を変動とする「ダイナミック価格上限」の2つの選択肢を提案した。