[ニューデリー 5日 ロイター] - 今年2月からロシア産石油製品輸入を禁止している欧州連合(EU)に、インド経由で軽油や航空燃料の「裏口流入」が急増していることが、ケプラーとボルテクサのデータで判明した。
ロシア産原油を低価格で輸入できるインドの製油業界が、そうしたコスト面の競争力を武器に欧州向けの石油製品輸出を拡大して市場シェアを伸ばしている構図だ。
欧州のインドからの軽油・航空燃料輸入量は、ロシアのウクライナ侵攻以前は平均で日量15万4000バレルほどだった。ところがケプラーのデータによると、EUがロシア産石油製品輸入を禁止した2月5日以降、輸入量が20万バレルに増えている。
一方インドのロシア産原油輸入は3月まで7カ月連続で増加。今や輸入先としてはイラクを抜いてロシアが初めて第一位となった。
ケプラーとボルテクサのデータに基づくと、インド製油業界が2022/23年度に輸入したロシア産原油は日量97万─98万1000バレルで、全原油輸入量450万─460万バレルの2割強に達する。
22/23年度のインドから欧州への軽油輸出は前年度比12─16%増の15万─16万7000バレル。主な買い手はフランス、トルコ、ベルギー、オランダだ。
欧州はインドによる航空燃料輸出のおよそ50%に相当する7万─7万5000バレルを輸入。前年度は4万─4万2000バレルだった。