[ブリュッセル/東京 6日 ロイター] - 今月15─16日に札幌で開催する主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合では、天然ガスへの新規投資の必要性を声明で訴える可能性がある。ロイターが草案を閲覧した。ただ、天然ガス投資は国際的な気候変動目標の達成を阻害するとの指摘がある。
会合では脱炭素の取り組みが主要議題になる見通し。ロシアのウクライナ侵攻を背景とする国際エネルギー市場の混乱が脱炭素化に影を落としている。
声明案によると、G7はエネルギー市場の混乱を踏まえ、天然ガスへの上流(開発)投資が必要という点で合意する可能性がある。ロシアは昨年、欧州向けのガス供給を削減し、世界の需給逼迫や価格高騰を招いた。
「目下の緊急時にわれわれはLNG(液化天然ガス)・天然ガスに気候変動目標に沿った形で上流投資を行う必要性を認識している」と声明案には記されている。
G7の交渉は続いており、採択までに文言が大幅に修正される可能性もある。
LNG投資推進の合意が最終声明にも入れば、LNGを「トランジション(移行)燃料」と見なす議長国日本の思惑通りとなる。ただ、 国際エネルギー機関(IEA)は温暖化による気温上昇を1.5度以内に抑える目標を達成するには化石燃料に新たな投資はすべきではないとしている。
昨年のG7会合ではエネルギー危機への対応としてLNG部門への投資が必要との見解で一致したが、上流投資への言及はなかった。