[シドニー 11日 ロイター] - オーストラリアのウォン外相は11日、大麦を巡る貿易紛争を解決することで中国と合意したと明らかにした。両国の関係改善の兆しを改めて示す格好となった。
中国が大麦関税の見直しを行う間、豪州は世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きを停止する。
ウォン氏は記者会見で「中国は豪州産大麦に課している関税について3カ月間の迅速な見直しを行うことに合意した。必要なら4カ月間に延長される可能性もある」と説明。「これと引き換えに、豪州は合意した見直し期間にわたりWTOでの紛争を一時停止することに合意した」と述べた。
また、豪政府はワインに対する関税を巡る紛争でも同様の結果を期待しているとした。
中国外務省の報道官は定例会見で、両国関係を正しい軌道に戻すようオーストラリアと協力したいと述べた。
中国商務省は11日、中国はオーストラリアと協力して互いの産業に対する懸念に対処し、経済・貿易紛争を適切に解決する意思があると発表した。
豪州は2020年、中国が豪州産大麦に課した反ダンピング関税と相殺関税を巡りWTOに正式に提訴し、両国の摩擦の一因となった。
ただ、中道左派の労働党が22年に政権に就いてからは緊張が緩和しており、ウォン外相は12月に豪閣僚として19年11月以来初めて訪中。王毅外相(当時)と北京で会談した。