[ワシントン 17日 ロイター] - 米財務省は17日、ロシアが東シベリア太平洋(ESPO)パイプラインと東部沿岸の港を経由して輸出する原油について、主要7カ国(G7)などが制裁措置としてロシア産原油に設定した価格上限を回避している可能性があるとの警告を出した。
同省外国資産管理局(OFAC)は、60ドルの上限を超えて取引されているとの報告を承知していると説明。「輸出に関与する非米国人が不完全あるいは偽造した書類を提供、あるいはその他の不正な慣行を利用している」ために、米企業がこの事実を認識せずに関連サービスを提供している可能性があると警告した。
一部のタンカーはコズミノ港などロシア東部沿岸の港に寄港した事実を隠すために船舶の自動識別システム(AIS)に「スプーフィング」と呼ばれる偽装工作を行っている可能性があると指摘。船から船に積み荷を移し替える場合も同様の手口が使われる可能性があるとした。
OFACによると、価格上限を回避・違反している個人および企業は刑事あるいは民事の処分を科される可能性がある。