[モスクワ 18日 ロイター] - 4月前半に輸出されたロシア産原油の大半をインドと中国が購入し、価格は西側が上限とする1バレル=60ドルをわずかに上回ったことが、トレーダーへの取材とロイターの計算で明らかになった。
リフィニティブEikonの最新データに基づく計算では、4月前半に船積みされたロシア産原油のうち、70%以上がインドに、約20%が中国に向かった。
ロシアの港で氷が溶け、稼働可能なタンカーが増えたことにより、海上運賃はここ数週間で大幅に低下。インドと中国が北海ブレント油に対するロシア産原油のディスカウント幅を圧縮していることも重なり、4月に入って同原油は60ドルをわずかに上回る水準に戻った。
西側の制裁にもかかわらず、ロシアの石油収入は一時より増えている格好だ。ポーランドなど一部の欧州連合(EU)諸国は、価格上限をさらに引き下げてロシアへの圧力を強めるべきだと訴えている。
しかし主要7カ国(G7)筋は17日ロイターに、価格上限は当面変わらないとの見通しを示した。ロシア産原油のディスカウント幅が変動する可能性は認識しているが、ロシアが受け取る原油代金は「他の生産国に比べて大幅に低いままであり、これは世界的な制裁の効果を反映している」と述べた。