[マドリード/バルセロナ 31日 ロイター] - スペインのサンチェス首相は31日、7月23日の総選挙について、米国とブラジルの前政権のような極右に傾く結果になる恐れがあるとして、国民に自身の首相続投を「強力かつ圧倒的に支持」するよう訴えた。
サンチェス氏は5月28日に実施された統一地方選挙での与党敗北を受け、議会を解散して総選挙を前倒し実施する考えを明らかにしていた。
大方の世論調査で中道右派の野党・国民党(PP)がサンチェス氏率いる社会労働党(PSOE)を支持率で上回っているが、議会の過半数を獲得する水準には達していない。極右政党ボックス(VOX)との連立交渉が必要になる公算が大きい。
サンチェス氏は、PPに投票すればトランプ前米大統領とブラジルのボルソナロ前大統領と考えが類似する政党に政権を取らせることになると指摘。「スペインはこの反動的流れの影響を回避できないが、子どもたちのために止めることはできる」と強調し、トランプ氏とバイデン現大統領、ボルソナロ氏とルラ現大統領の名前を挙げてどちら側の首相を望むか選択を国民に迫った。