[シンガポール 1日 ロイター] - エネルギー調査会社の英ボルテクサと米クプラーの暫定データによると、中国とインドによるロシア産原油の輸入量が、5月に前月比約10%増の1億1000万バレルと過去最大となった。安値となっているロシア産が大量に買われた一方、中東やアフリカ産の需要が減った形だ。
ボルテクサによると、5月のインドのロシア産原油輸入量は過去最高の860万トン(6280万バレル)、中国は600万トンだった。
クプラーのデータも、インドの輸入は過去最高の6670万バレル、中国は4920万バレルと、同様の傾向を示した。
データによると、インドの製油所はウラル産やソコールなどの買い付け強化に加え、ESPO(東シベリア太平洋)原油も輸入している。
中国の製油所は、景気回復が遅れる中、原材料コストの削減や精製マージンの改善に躍起になっており、複数の大手民間製油所が今年に入ってからロシア産を購入し始めた。この数カ月はさらに量を増やしている。
船舶追跡データによると、大連北部に製油所を持つ石油化学大手の恒力石化は5月初旬、ウラル産原油73万バレルを初めて受け取った。31日にはさらに200万バレルが到着。5月にはESPO原油約371万バレルも購入した。
トレーダーは「4月以降に中国の買い付け業者からの需要が高まったのは、運賃が下がり、収益性が高まったためだ」と指摘した。