[シンガポール 5日 ロイター] - アジア時間5日の原油先物相場は2%急伸。世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアが、7月から独自に日量100万バレルの追加減産を行う方針を示したことを受けた。
0014GMT(日本時間午前9時14分)時点で北海ブレント先物は1.51ドル(2%)高の1バレル=77.64ドル。一時は78.73ドルを付けた。
米WTI先物は1.41ドル(2%)高の73.15ドル。一時は75.06ドルを付けた。
サウジのエネルギー省によると、同国の7月の生産量は日量約900万バレルと、5月の約1000万バレルから減少する見通し。
自主減産と並行して、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は4日、協調減産の枠組みを2024年末まで延長することで合意した。
ANZのアナリストは、調査ノートで「サウジの動きはサプライズと受け止められるだろう。前回の生産量変更から1カ月しかたっていないからだ」と指摘。「原油市場は今年後半に、一段と需給が逼迫する見込みとなった」とした。
調査会社ライスタッド・エナジーはサウジの追加減産で市場の供給不足幅が7月に日量300万バレルを超える公算が大きいと分析。今後数週間の価格上昇の引き金となる可能性があるとした。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、OPECプラスの会合は相場に「やや強気」の効果があったとし、サウジが年末までの期間に日量900万バレルの生産量をどれだけ長く維持するか次第で、今年12月の北海ブレント価格を1バレル当たり1─6ドル押し上げる可能性があると予想した。