[ベルリン 8日 ロイター] - 今年11─12月に開催される国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で議長を務めるアラブ首長国連邦(UAE)のスルタン・ジャベル氏は8日、化石燃料の段階的縮小は避けられないとの考えを示した。化石燃料そのものよりも化石燃料からの二酸化炭素(CO2)排出量の削減を求めた従来のコメントより踏み込んだ発言。
ジャベル氏はボンで開催された国連の気候変動会議の傍ら開かれたイベントで、「化石燃料の段階的な削減は避けられない。そのスピードは、エネルギーの安全保障、利用しやすさ、手頃な価格を確保しながら、いかに早く炭素ゼロの代替燃料を段階的に導入できるかにかかっている」と述べた。
アブダビ国営石油(ADNOC)の最高経営責任者(CEO)でもあるジャベル氏は、化石燃料の使用を減らすのではなく、その排出量に取り組むよう訴え、気候変動活動家から化石燃料に対する姿勢が甘いと批判されている。
米議会と欧州議会の議員100人余りは先月、バイデン米大統領とフォンデアライエン欧州委員長に対し、ADNOCのCEOであるジャベル氏がCOP28の議長を務めることが話し合いに影響する恐れがあるとして、UAE政府にCOP28議長の交代を求めるよう要請した。