[ロンドン 8日 ロイター] - 企業による温室効果ガス排出量の抑制を目指す世界最大級の投資家グループは8日、加盟するメンバーに対して、口約束するだけではなく実際に排出量を削減するよう、投資先の企業に働きかけることを求めた。
投資家グループ「クライメート・アクション100+(CA100+)」は、排出量の多い企業に対して気候変動対策の国際的枠組みであるパリ協定の目標順守を促すことを目的として2017年に発足。700超の投資会社が参加しており、資産運用総額は68兆ドルに上る。
CA100+の取り組みには一定の効果が上がっている。温室効果ガスの排出量が特に多い166社のうち75%が、2050年までに排出量を実質ゼロにすることを約束し、この比率は発足時の5%から大幅に上昇した。また、90%以上の企業が気候関連の情報開示を改善した。
一方、自社の投資計画に関して、自社目標やパリ協定と完全に一致させている企業はわずか10%に過ぎない。環境保護団体や一部の投資家は、ウクライナ戦争がエネルギー企業に化石燃料への投資を増やす余地を与えているとし、環境対策の進展が停滞していると懸念している。
CA100+はこのたび、30年までの第2段階の行動計画を公表。運営委員長のフランソワ・アンベール氏はロイターに対し、行動計画の第1段階は気候問題に関する議論を変えたが、「第2段階では言葉から行動に移すことが包括的な目標」と説明。投資家は「より多くの説明責任、より多くの透明性」を持つことになるなどと述べた。