[ロンドン 12日 ロイター] - ウクライナのカチカ経済副大臣は12日、同国産穀物の流入急増を受けたポーランド政府による国内農家への補助金支給について、世界貿易機関(WTO)規則と乖離(かいり)していると訴えた。
ロシアの侵攻後、ウクライナ産穀物の黒海経由の輸出は停滞。代替輸送陸路となっている東欧諸国では同国産穀物在庫が大量に積み上がり、農家が打撃を受けている。
ポーランド政府は今年、国内農家支援策として100億ズロチ(24億ドル)の支給を承認した。
カチカ氏は、ロンドンで開催された国際穀物理事会の会合で「補助金はWTO規則で認められた基準を大幅に超えている。世界(の貿易)を混乱させる原因になり得る」と批判した。
東欧5カ国では数百万トンものウクライナ産穀物が滞留。国内産穀物の販売価格が押し下げられ、各国政府は一時的にウクライナ産食品の輸入を禁止した。
欧州連合(EU)と5カ国は5月2日、ウクライナ産の小麦やトウモロコシなどの国内販売を禁止する一方で、他のEU諸国を含む別地域への輸出目的での輸送を許可することで合意した。
カチカ氏は「5カ国の国内市場は実際に悪影響を受けていない」と指摘。「全貿易ルートの円滑な稼働に向け、EUと集中的に取り組んでいる」と強調した。