[13日 ロイター] - 米政府が戦略備蓄の補充に向け、既に発表した約600万バレルを含めて年内に1200万バレル以上の原油の購入を検討していることが分かった。事情に詳しい関係筋が13日に明らかにした。
政府は昨年、戦略石油備蓄(SPR)から2億バレル強を放出。ロシアのウクライナ侵攻後の原油相場高騰を受け、過去最大となる1億8000万バレルを放出した影響が大きく、備蓄量は1983年以来の低水準まで減少した。
エネルギー省は9日、SPR補充に向け原油310万バレルを8月渡しでエクソン・モービルを含む5社から購入し、9月に追加で300万バレル補充するために新たに供給企業を募集すると発表した。
同省の報道官は「市場環境とSPR運用上の制約が許す限り、追加購入の機会を模索し続ける」と述べた。
備蓄量が少ないことについて、共和党はバイデン民主党政権がエネルギー安全保障を危険にさらしていると批判する材料にしてきた。また、備蓄放出は原油相場の下押し圧力となるため、世界有数の原油輸出国であるサウジアラビアとの関係に悪影響を与えた。