[北京 20日 ロイター] - 中国税関総署が20日発表した統計によると、5月のロシア産原油輸入が過去最高を記録した。民間製油所が制裁対象のESPO原油とウラル原油を割安価格で購入する動きが続いている。
5月のロシア産原油輸入は971万トン。日量では229万バレルと4月の173万バレルから32.4%増加し、過去最高となった。前年同月比では15.3%増。
5月のサウジアラビア産原油の輸入量は732万トン(日量172万バレル)で、先月の日量205万バレルから16.0%減。同国は4月、中国にとって最大の原油輸入先となっていた。
4月上旬、サウジアラビアなど産油国は5月から日量116万バレル追加減産すると発表した。
また、中国税関データによると、5月のマレーシアからの輸入量は日量134万バレルで、前年同月比158.6%増となった。マレーシアはイランやベネズエラからの制裁対象貨物の中継地点としてよく利用されている。
米国からの輸入は、地政学的緊張が深まっているにもかかわらず、前年同月の3倍以上となる222万トン。産油国グループの減産後、石油輸出国機構(OPEC)加盟国に対して一時的に価格面で優位に立ったため。
詳細は以下の通り(単位は百万トン、増減率はロイター算出)。
国名 5月 増減率
1─5月 増減率
ロシア 9.71 15.3% 42.11 23.8%
サウジアラビア 7.32 -6.4% 38.60 1.0%
マレーシア 5.69 158.6% 19.61 132.9%
イラク 5.01 6.9% 25.43 8.0%
4.27 4.4% 17.44 6.9%
UAE
ブラジル 3.21 45.5% 15.08 37.2%
オマーン 3.15 -20.9% 16.44 -13.3%
アンゴラ 2.73 -13.1% 10.95 -26.2%
米国 2.22 330.4% 5.72 51.2%
クウェート 2.16 -17.4% 10.68 -28.9%
イラン 0.00 -100% 0.00 -100%
ベネズエラ 0.00 N/A 0.00 N/A