[21日 ロイター] - 米環境保護局(EPA)は21日、向こう3年間の再生可能燃料基準(RFS)を最終決定した。ガソリンや軽油に製油業者が混合を義務付けられるバイオ燃料の量が引き上げられたが、バイオ燃料業界は引き上げ幅が不十分だと反発している。
RFSは2022年分までは議会が具体的な数値を決定したが、23年以降はEPAが具体的に決める権限を有している。
こうした中でEPAは、23年と24年、25年に混合すべきバイオ燃料をそれぞれ209億4000万ガロン、215億4000万ガロン、223億3000万ガロンと定めた。当初案では208億2000万ガロン、218億7000万ガロン、226億8000万ガロンだった。
しかしトウモロコシ由来エタノールなど従来型のバイオ燃料の混合量は当初案から減少。バイオディーゼルの混合量の引き上げ幅も当初案より小さくなった。
このためエタノールやバイオディーゼルの推進派からは批判の声が上がっている。
バイオディーゼル業界団体のクリーン・フューエルズ幹部のカート・コバリク氏は「業界はバイデン政権や議会が発している米燃料市場の急速な脱炭素化のシグナルに対応してきた。特に航空、海運、大型トラックの分野で。そしてより多くの消費者がクリーンな燃料を利用できるように取り組んできた。(だが)EPAが決めた混合量はこれらの目標達成を後押しするには十分ではない」と述べた。
アイオワ州のマイク・ネイグ農務長官も、最終的に義務化された混合量では、バイオ燃料が農家や消費者に提供できるメリットを全面的に裏付けられないと指摘した。
再生可能燃料協会は、エタノール混合量が当初案から減ったことについて「不可解で不当だ」と訴えた。