[東京 5日 ロイター] - アジア時間の原油先物は反落。サウジアラビアなどによる8月の減産で供給が引き締まるとの見方があるものの、世界的な景気減速で燃料需要が落ち込むとの懸念が優勢になっている。
0027GMT(日本時間午前9時27分)時点で、北海ブレント先物は0.14ドル(0.2%)安の1バレル=76.11ドル。
米WTI先物は3日清算値比で1.35ドル(1.9%)高の71.14ドル。4日は米国が独立記念日の祝日で清算値は算出されなかった。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は、世界経済減速や米欧の追加利上げを巡る懸念がくすぶり、原油価格が再び圧迫されたと指摘。しばらくは一進一退の攻防が続き、中国の経済指標や各国中央銀行の金融政策が注目される見込みとし、北海ブレントは75ドル前後で推移すると予想した。
サウジは3日、日量100万バレルの自主減産を1カ月延長し8月も実施すると明らかにした。また、ロシアは8月の石油輸出を日量50万バレル削減し、アルジェリアは同月に2万バレルの減産を行うとそれぞれ発表した。
ただ、これを受けた原油価格の上昇は長続きしなかった。サウジとロシアの決定は需要の伸びに対する楽観的な見方が後退していることを裏付けるもので、原油相場にとって弱気シグナルと見なされる可能性がある。