Sabrina Valle
[ヒューストン 12日 ロイター] - デロイトの調査によると、石油・ガス会社の株式を大量保有する機関投資家は、企業側がクリーンエネルギー移行事業への投資を加速するために配当や自社株買いを減らしても受け入れる構えを見せている。
石油・ガス大手はエネルギー価格高を背景に株主還元を急速に増やしてきた。デロイトによると、2022年は配当と自社株買いを合わせた総還元利回りが8%となり、全産業の中で首位となった。
石油メジャーのエクソンモービル、シェブロン、BP、エクイノール、シェル、トタルエナジーズは昨年、配当と自社株買いの合計が過去最高の1100億ドルに上った。
ただ、世界の石油・ガス業界の2兆3000億ドル相当の株式を保有する機関投資家は、企業幹部以上に成長市場に対する期待を変化させているという。
投資家の約75%は、利回りが3%程度まで低下しても、低炭素技術への投資加速のために株式保有を継続すると回答。
調査では投資を拡大すべき分野について企業側と投資家の見方が分かれた。調査対象150社の幹部の約40%が、水素と炭素回収・貯留技術が戦略上重要とした。一方で投資家は輸送網の電動化など「変革をもたらす」技術を重視、約43%は電池貯蔵を重要な投資分野として挙げた。