Natalie Grover Alex Lawler
[ロンドン 13日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は13日に発表した月報で、サウジアラビアとロシアが原油の供給削減を年末まで延長したことにより、市場では第4・四半期まで大幅な供給不足が続くとの見通しを示した。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要な産油国で構成する「OPECプラス」は年初から日量250万バレル以上減産したが、米国やブラジル、イランなどの供給増によって相殺されてきたと分析。「しかし9月以降はOPECプラスの生産が減少するため、第4・四半期にかけて大幅な供給不足に陥るだろう」と予想した。
来年初めに減産がなければ供給超過に転じるとし、在庫が非常に低水準のため脆弱な経済環境下でボラティリティーが再び急上昇するリスクがあると強調した。
中国について、石油需要は「景気減速の影響を驚くほど受けていない」との見方を示した。
その一方で「中国は依然として主要なかく乱要素だ」と指摘。「中国の産業活動と石油需要が急激に弱まれば、世界全体に影響が波及する可能性が高く、アジア、アフリカ、中南米の新興市場にとってはより厳しい環境となる」と警告した。