Yousef Saba Pesha Magid
[ダーラン(サウジアラビア) 12日 ロイター] - サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は12日、国有石油会社アラムコに原油生産能力の拡張停止を指示したことについて、エネルギー移行が理由だと述べた。生産余力は十分にあるとも指摘した。
サウジ政府は先月30日、アラムコに対し原油生産能力の拡張を停止し、持続的最大生産能力(MSC)を日量1200万バレルとするよう指示した。同社は2020年、27年の生産能力を日量1300万バレルにする目標を掲げていた。
同相はダーランで開催されたIPTC石油技術会議で「今回の投資延期はわれわれが移行を進めているためだ」とし、アラムコには石油、ガス、石油化学、再生可能エネルギーなどの分野で行うべき他の投資があると述べた。
サウジは60年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」を実現することを目指している。アラムコは自社の事業について50年までのネットゼロを目標にしている。
同相は紛争や自然災害により世界の供給が大きく混乱した場合も、サウジには「巨大なクッション」となる生産余力があると指摘。
アラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は、必要な場合には引き続き生産能力を引き上げる用意があると発言。「約300万バレルの十分な生産余力がある」とし、政府がMSCを引き上げたい場合は常に引き上げる用意があると述べた。