Marwa Rashad
[ロンドン 6日 ロイター] - サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコとアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)が、米国の液化天然ガス(LNG)事業への投資に向けて協議している。急成長するLNG市場において、石油メジャーや競合国カタールに対抗する狙いがある。事情に詳しい関係筋が明らかにした。
アラムコは、米エネルギー大手センプラ・インフラストラクチャーがテキサス州で手掛ける「ポートアーサーLNG」事業の第2フェーズへの投資を協議している。
ADNOCは米LNG企業ネクストディケードと協議入り。同社が手掛ける180億ドル規模のリオグランデLNG輸出施設のうち、第4処理施設からの引き取りについて協議しているという。
米国のLNG生産能力は今後4年で倍近くに膨らむ見通し。しかし米LNG開発企業は、輸出ターミナルを軌道に乗せるのに資金面での課題に直面している。投資家からの要求が厳しくなっているほか、環境・社会・企業統治(ESG)に注力するよう規制当局から銀行への圧力が高まっていることが背景にある。
1人の関係筋によると、アラムコはポートアーサーLNGの第2フェーズを巡り、2カ所の液化施設から一部または全量の購入に向けて協議している。2施設はいずれも年間最大1350万トンの生産能力がある。