Marwa Rashad Vladimir Soldatkin
[ロンドン/モスクワ 2日 ロイター] - ロシアの天然ガス大手ノバテクが北極圏の液化天然ガス(LNG)開発事業「アークティックLNG2」の生産を一時停止したと、事情に詳しい関係者2人が2日に明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻に伴う西側の制裁やタンカーの不足が要因という。
同事業は今年第1・四半期の商業出荷開始を目指していたが、昨年に西側の制裁対象に加えられたことを受け、出資する外国企業が参画を凍結。
ノバテクは昨年12月、計画する3つのトレインの1つで最初の暫定的なLNG生産を開始していた。
関係者は「第1トレインは少なくとも6月末まで停止が続く」と述べた。プロジェクトの建設活動は継続しているとも語った。
関係者によると、主な課題はLNGを輸送する砕氷タンカーの不足という。
アークティックLNG2はノバテクが主導し、60%の権益を保有。日本の独立行政法人、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と三井物産が共同で10%を出資しているほか、仏トタルエナジーズ、中国石油天然気集団(CNPC)、中国海洋石油(CNOOC)もそれぞれ10%を保有する。
三井物産はコメントを控え、トタルエナジーズはノバテクに問い合わせるよう求めた。他社のコメントは得られていない。