ウォール街は、利下げ観測を好感した投資家の楽観的な見方が復活し、株価は3日連続で上昇した。米労働市場の減速を示す最近のデータを受けての反発である。4月の求人数は大幅に減少し、過去3年間で最低となり、求職者に対する求人数は2021年半ばの水準まで落ち込んだ。
投資家は現在、水曜日に発表されるADP民間雇用者数調査に注目しており、雇用創出が17万5,000人と小幅に減速すると予想されている。先物市場では、2024年までに金利が45ベーシスポイント引き下げられ、選挙を控えた9月までに利下げが実施される可能性が高いと予想されている。
エネルギー価格が急落し、原油価格が2月の水準に戻ったことで、米国債利回りは火曜日に急落したが、今日は安定した。
カナダでは、カナダ中銀が本日中に利下げを発表すると予想されており、金融市場では80％の確率で4分の1ポイントの利下げが予想されている。インフレ率が中銀の目標レンジである1～3％に戻り、経済成長率も予想を下回っていることから、エコノミストもこの動きを予想している。
カナダドルは中銀の決定を見越して堅調に推移した。世界的には、金融緩和によってFRBの利下げ観測が再燃したことによる米ドルへの影響は小さくなっている。木曜日には欧州中央銀行も利下げに踏み切ると予想されており、G7のうち4カ国が緩和姿勢に転じることになる。
日銀の対照的なアプローチにもかかわらず、日本が発表した4月のインフレ調整後賃金が0.7％減少し、過去25ヵ月連続で減少したことから円安が進んだ。
水曜日のアジア市場はまちまちの展開となり、日本株と中国株はマイナスとなった。中国の5月のサービス業は予想外の伸びを示し、過去10ヵ月で最も速い伸びとなった。
インドでは、ナレンドラ・モディ首相の同盟が僅差で勝利した後、2つの重要な政治同盟が新政権の樹立を支持したため、株式市場は3％反発した。
市場オープンに先立ち、S&P500先物は上昇スタートを示唆した。一方、ブラックロック（NYSE:BLK）とシタデル・セキュリティーズが支援するグループがテキサス証券取引所の立ち上げを計画しており、ニューヨーク証券取引所の新たな候補が浮上している。約1億2000万ドルの資金を確保したこの新取引所は、今年後半に証券取引委員会に申請する予定だ。
投資家は、カナダ中銀の政策決定、米5月ADP民間雇用報告、ISMとS&Pグローバルのサービス部門調査など、重要なイベントからさらなる指針を得ようとするだろう。
本日は、ジョー・バイデン大統領がDデイ上陸作戦80周年を記念してフランスを訪問する。さらに、ダラー・ツリー（NASDAQ:DLTR）、ルルレモン（NASDAQ:LULU）、キャンベル・スープ（NYSE:CPB）、ブラウン・フォアマンから企業決算報告が予定されている。
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