原油価格は、夏の需要に対する熱狂と地政学的緊張が、米国の原油在庫の予想外の増加によって和らげられたため、7週間ぶりの高値に達した後、本日小幅に下落した。ブレント原油先物は6セント安の1バレル85.33ドル、米ウエスト・テキサス・インターミディエート原油は8セント安の81.57ドルだった。
早朝、ブレント原油は1バレル85.84ドルと5月1日以来の高値をつけ、WTIは1バレル81.96ドルと4月30日以来の高値をつけた。米連邦政府の祝日のため、取引量は通常より少なかった。
PVMの石油ブローカー、タマス・ヴァルガ氏は、市場のシグナルがまちまちであることを認めつつも、今後の世界的な石油収支のタイト化については楽観的な見方を崩さなかった。同氏は、ブレントが6月上旬の安値から8ドル回復したことは、市場心理が前向きに変化したことを示していると指摘した。
ウクライナの無人機による空爆でロシアの主要石油ターミナルが火災に見舞われたことを受け、石油市場はこれまで強含みで推移しており、火曜日には両ベンチマークとも1ドル以上上昇した。さらに、中東では地政学的リスクが高まっており、イスラエルのカッツ外相はヒズボラとの全面衝突の可能性を強調し、同地域からの石油供給に支障が出る可能性を指摘した。
TDバンクの商品戦略責任者バート・メレクは、中東情勢の緊迫化により、石油需要に供給リスクの懸念が加わっていると指摘。また、最近の米経済指標は、米連邦準備制度理事会（FRB）が今後数カ月以内に利下げを検討する可能性を示唆していると述べた。
中国では、5月の鉱工業生産が予想に届かなかった一方、小売売上高は2月以来の高い伸びを示した。
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