熱帯性暴風雨「ベリル」がテキサス州からのエネルギー供給に及ぼす潜在的な影響を投資家が注視しているため、今日の石油市場はほとんど変化が見られなかった。ブレント原油先物は11セント高の1バレル86.65ドルと小幅上昇したが、米WTI（ウエスト・テキサス・インターミディエート）原油は83.08ドルと小幅下落した。
ベリルはカテゴリー2のハリケーンに強まる可能性があるため、コーパスクリスティ、ヒューストン、ガルベストン、フリーポート、テキサスシティなど、テキサスの主要港が日曜日に閉鎖された。これらの閉鎖により、原油や液化天然ガスの輸出、製油所への石油出荷、自動車燃料の供給が一時的に中断する可能性が高い。
シドニーのIGのアナリストは、高潮と停電の可能性を指摘した。また、今後発表される米国のデータでは、石油在庫が大幅に減少する可能性があり、それが原油価格の支援材料になるとの見方を示した。先週、エネルギー情報局が発表した6月28日までの1週間の原油および石油精製品の在庫減少を受け、WTIは2.1％上昇した。
金曜日に発表されたベーカー・ヒューズ社のレポートによると、米国内の石油掘削リグ数は479基と、2021年12月以来の低水準で安定している。さらに、インフレの緩和と雇用の伸びの鈍化を示す最近の米データを受けて、金利引き下げが期待される中、原油価格は一定の支持を得た。
投資家はまた、最近の英国、フランス、イランの選挙が地政学やエネルギー政策に及ぼす潜在的影響にも注目している。フランスは選挙の結果、議会が空転し、政治が行き詰まる可能性に直面している。イランでは、比較的穏健派のマスード・ペゼシュキアン候補が、強硬派の対立候補を抑えて大統領選に勝利した。
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