[東京 2日 ロイター] - 総務省が2日発表した8月の完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月(2.9%)から0.1ポイント上昇した。2017年5月以来の水準に悪化した。厚生労働省が発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.04倍と、前月から0.04ポイント低下し、2014年1月以来6年7カ月ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスによる内外経済低迷で雇用情勢の悪化が継続している。
<失業者数、17年5月以来の高水準>
8月の完全失業者数は206万人。前年比で49万人増と7カ月連続で悪化した。前月比でも9万人増加し、2017年5月以来の水準となった。
就業者数は前年比で75万人減少の6676万人と5カ月連続のマイナス。業種別で製造業が52万人、宿泊・飲食業が28万人、卸売・小売業が16万人それぞれ減少した。コロナ禍で需要減が著しい業種が直撃を受けた格好だ。
一方、就業者数も前月比では11万人増加しており、総務省は「新たに労働市場に参入する動きも失業率を押し上げたのでは」(幹部)と分析している。
男女別での完全失業率は、男性が7月と同水準の3.0%であったのに対して、女性は2.9%と7月から0.2%ポイント悪化した。
年齢別完全失業率は、15-24歳が4.7%と最も高く、65歳以上が1.9%と最も低かった。前月との比較では、25-34歳の失業率が0.5%ポイント上昇している。
<求職期間長期化の可能性>
8月は、企業側の求人状況を示す月間求人数が前月比で0.9ポイント増えたのに対して、月間有効求職者数は4.7ポイントと大幅に増加した。一方、新規求職申込件数は前月比3.4ポイント減少しており、コロナ禍のなか、求職期間が長期化していると厚労省はみている。
完全失業率は、ロイターの事前予測調査で3.0%が予想されていた。有効求人倍率は、事前予測で1.05倍が見込まれていた。
*内容を追加しました。