[チューリヒ 2日 ロイター] - スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のツアブリュック副総裁は2日、スイス中銀にとってマイナス金利政策は物価安定の目標達成に向けた「基本的な」政策手段との見解を示し、当面は継続される公算が大きいことを示唆した。
ツアブリュック副総裁は「スイス中銀はこれまでの数年間、政策金利をマイナス0.75%としてきた」とし、「インフレ目標を達成し、物価安定を実現するために、マイナス金利政策は重要な要素となっている」と指摘。スイスフラン相場の上昇を防ぐために、欧州中央銀行(ECB)が現在マイナス0.5%としている中銀預金金利との間の差を維持することも重要と述べた。
その上で「政策金利をプラス圏に戻せる環境を望んでいるが、過去20年、もしくは30年にわたり、世界的に金利水準は一方向にしか動いていない」とし、安全通貨と見なされるスイスフランを抱えるスイスだけでなく、社会の高齢化のほか、貯蓄率上昇や生産性の伸び低迷などで世界的に金利は低下トレンドにあるとの考えを示した。
スイス中銀がマイナス金利政策を引き揚げる時期については具体的な手掛かりは示さず、市場では長期間にわたり金利は低水準にとどまるとの見方が出ていると述べるにとどめた。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200902T181034+0000