サイバーマンデー特売。最大60%引きInvestingPro特別セールを請求する

上値は重い、米決算決算や欧州金融機関の資本増強を注視=来週の東京株式市場

発行済 2011-10-07 17:20

 [東京 14日 ロイター] 来週の東京株式市場は上値が重そうだ。米企業決算を受けた株価に左右される展開が予想される。スロバキア議会の欧州金融安定ファシリティー(EFSF)拡充案の批准で欧州財政危機への過度な不安は後退したものの、欧州金融機関への資本増強問題が上値を抑える見通し。上昇局面となっても、外為市場で円高が続いていることや機関投資家の売りなどが見込まれ、上値を追う展開にはなりにくいとみられている。

 日経平均の予想レンジは8500─9000円。

 17日―21日は、米企業決算が本格化する。シティグループ、IBM(17日)、アップル、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス(GS)、インテル(18日)、モルガン・スタンレー(19日)などが注目される。SMBC日興証券・エクイティ部部長の西広市氏は、米企業決算発表や為替にらみでややもみ合う展開とし「焦点はリスク資産から回避していた投資マネーが戻ってくるかどうかだ。出来高や売買代金が膨らんでくるようならば戻りにも少し迫力が出てくる」とみている

 一方、スロバキア議会は13日、EFSF拡充案の批准を可決した。これにより、リスク回避の動きがやや緩和され、11日―14日の東京市場では買い戻しが続いた。テクニカル的にも、25日移動平均線と5日移動平均線がゴールデンクロスしており、下値不安感は乏しいほか、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・ インデックス(VIX指数)<.VIX>が低下基調となるなど、過度な不安感は後退している。ただ、日経平均は8800円付近に戻しているが、同水準から上値は追いにくいとみられている。

 欧州銀行監督機構(EBA)が進めている欧州連合(EU)域内の金融機関のストレステスト(健全性審査)で9%の「狭義の中核的自己資本(コアTier1)比率」が求められた場合、ドイツ銀行など欧州主要行は多額の資本強化が必要になるとみられる。欧州系証券の株式トレーダーは「欧州発の問題が払しょくされたわけではない」とし、引き続き売り材料になるとの見方を示す。東京市場では先行き不透明感からキャッシュ化する動きが指摘される。

 高値圏では戻り売り圧力が強い。三田証券株式営業部長の倉持宏朗氏は14日、「先物の上値の売り注文が厚く伸び悩んでいる。大手ヘッジファンドからの資金流出観測もあり需給面ではまだ安心できない」と述べた。また、外為市場ではドル/円が76円台で定着。国内企業は81円付近を想定していることから、円高が続けば業績悪化が懸念される。先の欧州系証券のトレーダーは「上昇局面では円高が売り材料」との見方を示す。さらに、機関投資家による売りも上値を抑えるという。

 経済指標では、10月独景気期待指数(ZEW)、第3・四半期中国国内総生産(GDP)、9月中国鉱工業生産・小売売上高(いずれも18日)、10月米フィラデルフィア地区連銀業況指数(20日)、10月独IFO業況指数(21日)の発表が予定されている。

 (ロイターニュース 吉池 威)

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます