■業績動向
2. プリント事業の動向
プリント事業の業績は、売上高8,264百万円(前期比13.1%減)、経常損失286百万円(前期は569百万円の損失)と、減収及び経常損失となった。
プラザクリエイト本社 (T:7502)は直営店のFC化を進めている。
2017年3月1日の開始以来2018年3月末まで48店舗がFCに切り替わった。
また、同社が目指す店づくりやFC化がいずれも難しい店舗については閉鎖を進めており、2018年3月期では72店舗を閉鎖した。
これら2つの要因による減収影響が1,526百万円あった。
この影響を証明写真BOXの売上増や提携プリントコーナーへの材料卸売などで一部補い、最終的に売上高は前期比1,269百万円の減収となった。
直営店の既存店売上高は、上期はデジタルカメラのプリント需要の減少トレンドが続くなか、商材供給の遅れなどもあり、前年同期比96.3%にとどまった。
しかし、年賀状プリントが前期比2.9%増の2,930万枚(直営店とFC店の全パレットプラザの取扱枚数)と増加したことで盛り返し、通期の既存店売上高は前期比100.0%と横ばいを維持した。
FC店舗については、FC化が2017年3月の開始であるため直営店時代との比較となるが、全般には前年対比で明確に収益が改善している店舗が多いもようだ。
店長からFCオーナーへと立場が変わったことで、意識改革が進んだことが奏功しているものとみられる。
ことに2018年3月期は最大の収益源である年賀状プリントが前期比3%近い増加となったことで、FC店の収益改善の実感は一段と強かったとみられる。
利益面では、各種施策の影響が売上高ほどには出ていないが、これ自体は当初からの想定どおりだ。
FC化や店舗閉鎖は売上高においては減収要因だが、利益的にはニュートラルだったとみられる。
既存店売上高は前述のように前期比横ばいを確保したことによる増益要因はあったが、一方で、自社大型工場の立ち上げ費用や第3四半期の組織再編等に関連して費用が発生した。
結果的に、2016年末までに蘭Cimpress(シンプレスジャパン(株))と合弁契約を解消したことによる持分法による投資損失(284百万円)の消滅分だけ経常損失が改善した形となった。
モバイル事業は新店出店にかかる投資や人材投資などが利益を圧迫し、増収ながら減益で着地
3. モバイル事業の動向
モバイル事業の業績は、売上高13,907百万円(前期比11.7%増)、経常利益379百万円(同4.2%減)と増収減益での着地となった。
売上高が増収となった要因は積極的な新規出店によるところが大きい。
既存店における販売台数は前期比95.9%にとどまった。
この影響を2017年3月期に出店した店舗のフル寄与と2018年3月期中の新規出店の増収効果で補い、増収を確保した。
スマートフォン市場は既に成熟しており、人気機種の新製品投入などがなければ伸びにくい状況となっている。
2018年3月期においては、2017年9月後半に人気機種の新製品が発売となったが、当初は様子見ムードが広がり需要の立ち上がりが遅れた。
その後も当初期待したほどには伸びなかったとみられる。
そうしたなか、同社は期末に積極的な販促活動を行った。
利益面では、前述のように積極的な新規出店に伴う初期費用が利益圧迫要因となった。
また、成熟化した市場で売上高を伸ばすのに必要な資質を備えた人材の拡充に努めたほか、販促費も増加させた。
これらの施策は通信キャリア側の施策変更に呼応したものだ。
こうした一連の費用増加も利益圧迫要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
2. プリント事業の動向
プリント事業の業績は、売上高8,264百万円(前期比13.1%減)、経常損失286百万円(前期は569百万円の損失)と、減収及び経常損失となった。
プラザクリエイト本社 (T:7502)は直営店のFC化を進めている。
2017年3月1日の開始以来2018年3月末まで48店舗がFCに切り替わった。
また、同社が目指す店づくりやFC化がいずれも難しい店舗については閉鎖を進めており、2018年3月期では72店舗を閉鎖した。
これら2つの要因による減収影響が1,526百万円あった。
この影響を証明写真BOXの売上増や提携プリントコーナーへの材料卸売などで一部補い、最終的に売上高は前期比1,269百万円の減収となった。
直営店の既存店売上高は、上期はデジタルカメラのプリント需要の減少トレンドが続くなか、商材供給の遅れなどもあり、前年同期比96.3%にとどまった。
しかし、年賀状プリントが前期比2.9%増の2,930万枚(直営店とFC店の全パレットプラザの取扱枚数)と増加したことで盛り返し、通期の既存店売上高は前期比100.0%と横ばいを維持した。
FC店舗については、FC化が2017年3月の開始であるため直営店時代との比較となるが、全般には前年対比で明確に収益が改善している店舗が多いもようだ。
店長からFCオーナーへと立場が変わったことで、意識改革が進んだことが奏功しているものとみられる。
ことに2018年3月期は最大の収益源である年賀状プリントが前期比3%近い増加となったことで、FC店の収益改善の実感は一段と強かったとみられる。
利益面では、各種施策の影響が売上高ほどには出ていないが、これ自体は当初からの想定どおりだ。
FC化や店舗閉鎖は売上高においては減収要因だが、利益的にはニュートラルだったとみられる。
既存店売上高は前述のように前期比横ばいを確保したことによる増益要因はあったが、一方で、自社大型工場の立ち上げ費用や第3四半期の組織再編等に関連して費用が発生した。
結果的に、2016年末までに蘭Cimpress(シンプレスジャパン(株))と合弁契約を解消したことによる持分法による投資損失(284百万円)の消滅分だけ経常損失が改善した形となった。
モバイル事業は新店出店にかかる投資や人材投資などが利益を圧迫し、増収ながら減益で着地
3. モバイル事業の動向
モバイル事業の業績は、売上高13,907百万円(前期比11.7%増)、経常利益379百万円(同4.2%減)と増収減益での着地となった。
売上高が増収となった要因は積極的な新規出店によるところが大きい。
既存店における販売台数は前期比95.9%にとどまった。
この影響を2017年3月期に出店した店舗のフル寄与と2018年3月期中の新規出店の増収効果で補い、増収を確保した。
スマートフォン市場は既に成熟しており、人気機種の新製品投入などがなければ伸びにくい状況となっている。
2018年3月期においては、2017年9月後半に人気機種の新製品が発売となったが、当初は様子見ムードが広がり需要の立ち上がりが遅れた。
その後も当初期待したほどには伸びなかったとみられる。
そうしたなか、同社は期末に積極的な販促活動を行った。
利益面では、前述のように積極的な新規出店に伴う初期費用が利益圧迫要因となった。
また、成熟化した市場で売上高を伸ばすのに必要な資質を備えた人材の拡充に努めたほか、販促費も増加させた。
これらの施策は通信キャリア側の施策変更に呼応したものだ。
こうした一連の費用増加も利益圧迫要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)