11日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比160.90ポイント(0.63%)安の25231.61ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が82.90ポイント(0.82%)安の10070.47ポイントとそろって反落した。
売買代金は1126億8000万香港ドルにやや縮小している(10日は1410億6200万香港ドル)。
海外情勢の不透明感が重し。
「トランプ米大統領は給与減税などを含む包括的な経済支援策を発表する意向がある」と昨夜に伝えられたものの、開催された記者会見に本人は出席しなかった。
支援策はまとまらないと懐疑的な見方が強まるなか、時間外取引のNYダウは急反落している。
サプライチェーンの混乱も警戒。
中国以外の国・地域では、新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、ヒトとモノの移動が制約される状況だ。
中国で新型コロナ感染拡大が終息に近づいている——との観測などで買われる場面がみられたものの、ハンセン指数は中盤からマイナスに転じている。
ハンセン指数の構成銘柄では、石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が5.9%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.6%安、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が3.5%安、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が3.4%安と下げが目立った。
セクター別では、スマートフォンと半導体のハイテク関連が安い。
高偉電子(1415/HK)が3.7%、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)と舜宇光学科技(2382/HK)がそろって2.5%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.5%、華虹半導体(1347/HK)が2.2%ずつ下落した。
香港と本土の消費セクターもさえない。
利福国際集団(1212/HK)が2.9%安、莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が2.8%安、周大福珠宝(1929/HK)が1.5%安、金鷹商貿集団(ゴールデン・イーグル・リテール:3308/HK)が7.0%安、中国旺旺HD(151/HK)と中国雨潤食品集団(1068/HK)がそろって2.9%安で引けた。
半面、海運や空運の運輸セクターは物色される。
中遠海運能源運輸(1138/HK)が18.3%高、太平洋航運集団(2343/HK)が4.3%高、中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が2.5%高、中遠海運HD(1919/HK)が2.0%高、中国国際航空(753/HK)が1.2%高、中国南方航空(1055/HK)が0.7%高、中国東方航空(670/HK)が0.6%高と上昇した。
原油相場が安値圏で推移するなか、燃油コストの低減が期待されている。
新型コロナの影響で経営が圧迫される空運各社に関しては、当局が救済措置を打ち出したことも引き続き材料視された。
一方、本土市場は反落。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.94%安の2968.52ポイントで取引を終えた。
保険・証券株が安い。
ハイテク株、医薬品株、資源・素材株、自動車株、発電株なども売られた。
半面、テレワーク関連株、食品飲料株や不動産株の一角は買われた。
【亜州IR】