(決算速報)
データ・アプリケーション<3848>(東証スタンダード)は11月7日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。サブスクリプション売上の拡大が牽引し、開発費や販促費の増加など先行投資を吸収して大幅増益と順調だった。通期予想は据え置いて、先行投資や不透明感などを考慮して減益予想としている。ただし保守的だろう。サブスクリプション売上の拡大が加速していることを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。
■23年3月期2Q累計大幅増益着地、通期減益予想だが上振れの可能性
23年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比7.2%増の12億14百万円、営業利益が24.9%増の2億55百万円、経常利益が23.7%増の2億66百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.0%増の1億84百万円だった。売上高営業利益率は3.0ポイント上昇して21.1%となった。
サブスクリプション売上の伸長が牽引し、増収効果で開発費や販促費の増加など先行投資を吸収して大幅増益と順調だった。売上区分別の状況はリカーリング売上(サブスクリプション売上、メンテナンス売上)が10.0%増の8億84百万円、パッケージ売上がサブスクリプション売上への戦略的シフトで0.2%増の3億21百万円、サービスその他が5.6%増の7百万円だった。
主力製品のACMS ApexにRACCOONを標準搭載したデータ連携基盤向けアドバンストエディションを中心に拡販を積極推進した。また、継続的に推進しているソフトウェア製品売り切り型からサブスクリプション売上への戦略的シフトの成果で、22年9月単月のサブスクリプション売上は21年3月単月の約2.5倍に伸長した。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億58百万円で営業利益が82百万円、第2四半期は売上高が6億56百万円で営業利益が1億73百万円だった。四半期ベースでも増収・大幅増益基調である。
通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比2.1%増の23億50百万円、営業利益が25.3%減の3億30百万円、経常利益が24.7%減の3億45百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が25.1%減の2億41百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の43円(期末一括)としている。
通期は先行投資や不透明感などを考慮して減益予想としている。ただし保守的だろう。通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が51.7%、営業利益が77.3%、経常利益が77.1%、親会社株主帰属当期純利益が76.3%と高水準だった。サブスクリプション売上の拡大が加速して第2四半期累計が好調だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
なお10月31日には、電子インボイス制度対応のWeb-EDIシステム基盤ACMS WebFramerと、そのオプションの最新版を発売した。新製品投入効果も収益押し上げ要因として期待されるだろう。
■株価は下値固め完了
株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。11月7日の終値は1580円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の43円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1257円53銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約59億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)