米中間の貿易協議進展とハードブレグジット回避への期待によって金曜日のヨーロッパ株式市場は支えられ、8ヶ月ぶりの高値圏で取引されている。
しかし、午後9時30分発表の米雇用統計を控え、取引高も少なく、値動きもあまりない状態になっている。
ヨーロッパ市場が開いて1時間経った時点では、 Stoxx Europe 600は0.1%高の388.26、 FTSE 100は0.2%上昇し、ドイツの DAXは横ばいで推移している。
輸出に影響を与える2つの大きなリスク(米中貿易戦争とブレグジット)が近々に解消されるとの期待からDAX(ダックス)指数は木曜日に10月以来久しぶりに12,000以上で取引された。しかし、金曜日に発表された予想以上の2月の鉱工業生産では、これをさらに上昇させることができなかった。
月間生産量が0.8%増加したのは建設業のおかげであり、製造業は弱いままだ。ドイツ経済が製造業の大きな貢献なしで過去に力強い成長を遂げたことはほとんどなく、製造業の生産高は先月さらに0.2%下落している。
オックスフォード・エコノミクスのアナリストであるOliver Rakau氏は「ドイツの経済指標は依然としてまちまちな状況が続いています」とツイッターで述べた。「昨日、厳しい結果となった製造業新規受注は、外需の混乱が産業を不況に追いやる可能性があることを示しました。しかし、今日の鉱工業生産は、第1四半期のドイツ経済が堅調へと向かっているという我々の見解を裏付けています」と付け加えた。
英国では、メイ首相がEUに6月30日まで期限を延長するようEUに要請した。3回否決されたブレグジット協定案の代案をコービン労働党党首と協議している。
EUがメイ首相に欧州連合議会選挙に英国が参加することを主張したことを考えると、EUが最新の提案を受け入れるかどうかは明らかではない。英国が選挙に参加する準備をしつつも、英議会が新たなブレグジット協定案を承認したら、これをキャンセルする権利があるとメイ首相は述べた。