ジェネバ - 半導体およびサイバーセキュリティ技術企業であるSEALSQ Corp（NASDAQ: LAES）は、2024年前半に一時的な減速を経験したものの、量子耐性セキュアチップの発売を含む戦略的イニシアチブの進展を発表した。同社は、下半期はより好調に推移すると予想しており、2025年の成長回復を目指している。
2024年上半期、SEALSQは従来の半導体需要の減速に直面し、その結果、未監査の暫定的な売上高は約500万ドルとなった。同社は、レガシー顧客における部品在庫の過剰とレガシー製品の受注減少が原因であるとしている。しかし、SEALSQは7100万ドルの新規事業パイプラインを維持しており、新規顧客は2025年に利用可能になると予想される次世代半導体を待ち望んでいる。
SEALSQの1,900万ドルのキャッシュポジションは、ポスト量子チップ（QUASARS）の開発と収益低迷を乗り切るサポートに十分であると報告されている。関連当事者に対する負債は2024年上半期中に500万ドル削減され、プロジェクト開発が衰えることなく継続されるよう積極的な対策が講じられている。
同社は2024年第4四半期までに、QS7001およびQVault TPMを含む量子耐性セキュア・チップを発売する予定である。これらのチップは、量子耐性アルゴリズムに最適化された認定セキュリティを提供するよう設計されている。SEALSQはまた、大手電子機器メーカーと量子耐性カスタムチップを開発するための戦略的協議を進めている。
SEALSQは、スペインに高性能サイバーセキュリティチップの設計・カスタマイズセンターを設立するための交渉を行っており、米国に半導体組立・テスト（OSAT）施設を開発することを目指している。これらの取り組みは、半導体サプライチェーンの回復力を高めるための米国CHIPS法やEUチップス法などの政府の取り組みと一致している。
SEALSQのルート認証局(CA)は、2024年にMatterデバイス認証の認可を受け、企業は同社のマネージドPKI as a Serviceプラットフォームを通じてデバイス認証証明書(DAC)にアクセスできるようになった。
SEALSQは、半導体、PKI、プロビジョニングサービスに基づく統合ソリューションに特化し、ポスト量子技術のハードウェアおよびソフトウェア製品を開発している。
InvestingProの洞察
SEALSQ Corp (NASDAQ: LAES)の戦略的イニシアティブと量子耐性セキュアチップの発売予定に関する発表を踏まえ、同社の現在の財務状況と市場パフォーマンスを検討することが重要である。InvestingProのデータによると、SEALSQの時価総額は1,602万ドルで、半導体およびサイバーセキュリティ業界では比較的小規模な企業であることが分かる。
InvestingProのヒントによると、アナリストはSEALSQの当面の財務状況について慎重な見方をしている。アナリストらは売上高の減少を予想しており、当期純利益も減少すると見ている。さらに、同社はこの期間内に黒字化する見込みはない。これはSEALSQ自身が認めている収益減速と一致しており、潜在的な投資家にとっては懸念材料かもしれない。
こうした課題にもかかわらず、SEALSQの流動資産は短期債務を上回っており、厳しい市場環境を乗り切る上で財務的な安定をもたらす可能性がある。さらに、株価は52週安値付近で取引されており、同社の長期的な見通し、特に量子耐性を持つセキュアチップへの注力を信じる投資家にとっては、潜在的なエントリーポイントになると考えられる。
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