[ワシントン 2日 ロイター] - 米商務省が2日公表した2月の米貿易赤字は前月比12.2%減の399億3200万ドルと、3年5カ月ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により中国からの輸入が09年以来の低水準に減った。市場予想は400億ドルだった。
減少率は18年3月以来の大きさだった。
1月の貿易赤字は当初発表の453億3800万ドルから454億8200万ドルへ改定された。
インフレ調整後のモノの貿易赤字は2月に89億5400万ドル減の690億2300万ドルと、15年2月以来の低水準だった。実質の貿易赤字の縮小は国内総生産(GDP)の押し上げ要因となるが、輸入が減ったことによる在庫減少がGDPの押し上げ要因を相殺する可能性がある。
新型ウイルスの感染拡大を抑えるために州や地方政府が3月中旬から厳しい対策を導入する中、経済活動が停滞し、レイオフが急増した。米経済は第1・四半期に落ち込んだとみられる。四半期ベースでは14年初め以来のマイナス成長となる。
エコノミストは、米経済が既に景気後退入りしているとみている。
米国が景気後退に陥ったかどうかを判断する全米経済研究所(NBER)は、多くの国で採用されている基準である2四半期連続のマイナス成長ではなく、経済活動の停滞が広域にわたり数カ月以上続くかどうかに注目している。
政治的に問題になることが多い対中貿易赤字は159億9800万ドルと、09年3月以来の低水準を付けた。中国から輸入は09年5月以来の低水準。中国への輸出は10年6月以来の低水準だった。
2月はモノの輸入が2.4%減の1984億1500万ドルと、17年10月以来の低水準だった。資本財と産業用資材・原料、消費財が減った。
モノの輸出は0.7%増の1372億300万ドルだった。