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米政権の新型コロナ顧問、「社会的距離の指針」順守を呼びかけ

発行済 2020-04-03 16:19
更新済 2020-04-03 16:27
© Reuters. 米政権の新型コロナ顧問、「社会的距離の指針」順守を呼びかけ

[ワシントン 2日 ロイター] - 米ホワイトハウスの新型コロナ対策顧問を務めるデボラ・バークス氏は2日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染を防ぐために、濃厚な対人接触を避ける「社会的距離の指針」をもっと順守するよう米国民に呼びかけた。

この指針は3月16日に発表されたもので、10人以上で集まることや、レストランやバーでの食事を避けるよう忠告している。

ホワイトハウスの会見で常に様々なデータを示しながら新型ウイルス対策について説明する役割を担っているバークス氏は「16日前にしたこの話は、真剣なものだった」と述べ、現在症状が現れている感染者は、この指針が発表された後に感染したことになると指摘した。

しかし同じ会見に出席したトランプ大統領はバークス氏の発言をさえぎり、「ほんの一部の州のことを言っているんじゃないのか。多くの州では感染者はほとんど増えていない」と述べた。

これに対してバークス氏は、一部の州で感染者が増えていないのは確かだが、新たに1つの都市で急速に感染が拡大すれば台無しになると応じた。

トランプ大統領はなおも「バークス氏はすべての人々を平均して評価しているわけではない。個別の州の話をしている」と続けた。

「米国の州は、異なるたくさんの国が散らばっているようなものだ。その多くの『国々』が驚異的な仕事をしている。感染者数は本当に横ばいだ。そういう意味で言ったのだろう」と語りかける大統領に、バークス氏は「ありがとうございます、閣下」と答えるにとどめたが、すべての州が指針に従っているわけではないとも述べた。

© Reuters. 米政権の新型コロナ顧問、「社会的距離の指針」順守を呼びかけ

トランプ大統領は、米国で感染が急速に拡大する前、新型コロナを軽視する発言を繰り返していたことで批判を浴びている。感染は抑制されていると発言し、新型コロナを季節性のインフルエンザに例えることも多かった。

トランプ大統領は3月24日、新型コロナ感染拡大阻止に向けて制限されている米経済活動を4月12日のイースター(復活祭)までに再開させたいとの考えを示した。

しかし、トランプ大統領は3月29日、この計画を諦めたことを明らかにした。トランプ政権のコロナ対策を率いる米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長が、新型コロナウイルス感染による国内の死者が10万─20万人に達する可能性があると述べたためだ。

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