[ワシントン 6日 ロイター] - オックスフォード・エコノミクスの最新の調査で、米国内でフロリダやネバダ州などが新型コロナウイルス感染拡大による経済的打撃に脆弱である可能性が示された。
オックスフォード・エコノミクスは、65歳以上が人口に占める比率のほか、小売売上高や観光業への依存度など10の基準を用い、新型コロナ流行に対する米50州およびワシントンDCの経済の脆弱性を分析した。
調査によると、高齢者が多く、自営業者や中小企業従業員が占める比率が高いメーン州が最も脆弱であることが分かった。次いでカジノ観光への依存度が高いネバダ州、農村地帯のバーモント州が続いた。
65歳以上の居住者が多く、小売業や観光業へ依存が高いフロリダ州は4番目に脆弱となった。上位10位で人口密度が高いのは同州のみ。同州では新型コロナ感染者数が増加し、おり、先週時点で1万人を突破。デサンティス知事は自宅待機令を発令した。
米国内ではニューヨーク、カリフォルニア州での新型コロナ流行が深刻となっているものの、経済的な打撃は限定的な可能性があるとみられている。
オックスフォード・エコノミクスの首席エコノミスト、オレン・クラチキン氏は「ロックダウンや一連の感染拡大防止措置は新型コロナに絡む第1段階の経済的打撃の主要因だが、第2段階の打撃は構造的な経済上の脆弱性が要因となる」とし、長期的には地方政府予算や医療保健制度の健全性が鍵を握るとの認識を示した。
IHSマークイットのエコノミスト、カール・クイケンダル氏は、雇用喪失や経済産出量への減少などの異なる基準を用いた分析を実施。同氏の試算によると、フロリダ州では年末までに約8%の雇用が失われる可能性があり、新型コロナ流行に絡む経済的打撃に脆弱な州の一つとなった。
クイケンダル氏はさらに、ペンシルバニアからミシガン州にかけたラストベルト(五大湖周辺のさびついた工業地帯)でも雇用喪失が顕著となる可能性があると指摘した。
いずれの調査も、最近成立した新型コロナに対処する2兆3億ドル規模の大型経済対策の恩恵は加味していない。