[アテネ 6日 ロイター] - ギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は6日、ユーロ圏諸国が共同で新型コロナウイルス対策を打ち出す必要があると表明、ユーロ圏共同債の発行を呼びけかた。
総裁はドイツの経済専門紙ハンデルスブラットに寄稿し「この共通の敵に立ち向かうため、強力な同盟が必要だ」とし「共同債の発行は共通の敵に対する共同対策だ。欧州安定メカニズム(ESM)、欧州委員会、欧州投資銀行という欧州3機関の力をすべて活用できる可能性がある」と述べた。
その上で加盟各国の財政資金に加え、この3機関が少なくとも約1兆ユーロを準備する必要があると主張した。1兆ユーロはユーロ圏の域内総生産(GDP)の約1割に相当する。
総裁は、新型コロナの感染拡大について、不透明感が強く、現時点で本格的な予測をすることはできないが、2008年の金融危機や2010年のソブリン危機よりもショックが大きいとの見方は共通していると指摘。
感染拡大が終息した後、債務の持続可能性を巡る問題が再浮上し、経済成長の見通しが悪化する可能性があるとの見方も示した。
総裁は新型コロナ対策で財政余力がない国を放置して、高債務国などの国債利回りスプレッドが拡大する事態を招いてはならないとも主張した。