[ジュネーブ 7日 ロイター] - 国際労働機関(ILO)は7日、新型コロナウイルス感染拡大で第2・四半期は世界的に労働時間が6.7%減少するとの試算を示した。失われる労働時間は正規雇用者1億9500万人分の労働時間に相当するとしている。
ILOは世界の労働に対する「破壊的な影響をもたらす危機の深刻化」に関する報告書で、世界の労働人口の80%以上が新型ウイルス感染拡大抑制策で職場が完全、もしくは部分的に閉鎖された地域に住んでいると指摘。各国政府は失業者を増やさないよう措置を取る必要があるとした。
ILOのガイ・ライダー事務局長は記者会見で「世界中で景気刺激に向けた拡張的な財政政策と緩和的な金融政策が明らかに必要になっている」と述べた。
ILOの報告書によると、第2・四半期に失われる労働時間のうちアジア・太平洋地域で正規労働者1億2500万人相当の労働が失われる。新型ウイルス感染拡大で最も影響を受けている業種は宿泊・飲食サービス、製造、小売、企業サービス・行政活動の4部門。
新型ウイルス感染拡大で世界的に失われる雇用の数については具体的な推計値は示さなかったものの、1カ月前に示した予測の2500万人を「大幅に」上回るとの見方を示した。年初時点の世界の失業者数は1億9000万人だった。