[8日 ロイター] - 民間電力事業者の業界団体エジソン電気協会(EEI)とアナリストによると、米国の電力需要が先週、過去16年ぶりの低水準に減少した。新型コロナウイルス感染拡大抑制のため政府が実施している移動や業務の制限措置でオフィスが閉鎖され、産業活動が大幅に減少していることが背景。
エネルギー業者によると、先週はまた、天候が穏やかだったため全米で暖房需要が抑制されたことも、電力消費減につながった。
EEIの発表では、4月4日までの1週間の電力生産は6万4896ギガワット時で、前年の同じ週から5.7%減。週単位では2004年4月以来最低だった。
米エネルギー情報局(EIA)は、景気鈍化と在宅指示で今後数カ月は電力と天然ガスの消費が減少すると予想。2020年には、多くの企業の休業で商業向けの電力販売が4.7%減少、工業部門の需要は工場閉鎖や生産縮小で4.2%減少するとの見通しを示した。
一方、住居向け電力の販売減少は約0.8%にとどまるとみられている。冬季と夏季の天候がより穏やかで暖房やエアコンの使用が減り、在宅に伴う消費増が相殺されるという。
さらに、2020年通年の米電力消費は3%減少し、21年には約
1%増加するとの予想を示した。