[ソウル 19日 ロイター] - 韓国当局は19日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためのソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)政策の実施をさらに16日間延長する一方、教会での行事やスポーツイベントに対する制限を一部緩和する方針を示した。
保健当局の発表によると、新型コロナの新規感染者は8人で、2月18日以来の低水準だった。感染者は合計1万0661人となった。これまでの死者は234人。
丁世均首相は「厳格なソーシャル・ディスタンシング政策の維持が最も安全な方法だが、現実的ではない。現在の水準で感染を抑え続けられれば、5月6日から『通常の』ソーシャル・ディスタンシング政策に移る」と語り、経済再開に向けて感染防止のための制限を一部緩和する方針を示した。
韓国では3月に行政命令により、教会での行事やスポーツ・娯楽施設の営業が停止された。
制限の一部緩和により、これらの施設は感染防止ガイドラインに従うことを条件に活動の再開が認められ、プロ野球リーグなどのスポーツ競技は、無観客での試合再開が可能になるという。
韓国の新型コロナ新規感染者は、このところ20人前後で推移している。
保健当局は、感染ペースの鈍化傾向は好ましいとしつつも、過度に楽観すべきではないと警告。保健当局トップは会見で「新規感染を見逃しているケースがないか、無症状あるいは軽症の感染者によって感染が拡大する可能性がないかどうかを引き続き警戒している」と語った。
一方、文在寅大統領は19日、新型コロナ終息に向けた韓国の前進は、この感染症を「克服できる」という希望を他の国々に与えたと発言。「政府は国民とともに、新型コロナ終息後の日常生活と新たな世界秩序に向けて準備を進める」と語った。
トランプ米大統領は18日、文大統領と電話で会談し、米国の新型コロナ検査キットの調達を韓国が支援したことに謝意を示した。