[20日 ロイター] - ロイターの集計によると、米国内の新型コロナウイルス感染症による死者数は20日、累計で4万2000人を突破した。各地でロックダウン(都市封鎖)の早期解除を求めるデモが拡大する一方、当局者は新型コロナ検査が拡大されるまで警戒を怠らないよう呼び掛けている。
米国は、新型コロナの感染者数が世界最多。ロイターの集計によると、感染者数は20日に2万人増加し、累計で77万4000人を超えた。複数の州は、まだデータを報告していない。1日当たりの新規感染者数は前週の3万人前後から減少しているもようだ。
死者の増加もこのところ鈍化しており、20日は現時点で約1500増加。前週は1日当たりの死者が2000人を超える日がほとんどで、15日には2806人の死者を記録していた。
ただ、シカゴ、ボストン、フィラデルフィアで、感染者が集中する「ホットスポット」も出ている。
コネチカット州は、感染者と死者の増加数がこれまでで最多となった。米疾病対策センター(CDC)が各州に対し、検査で確認されていない推定の感染者と死者も集計に含めるよう求めたことを受け、修正を行ったことが影響した。
一方、各地ではロックダウン解除を求めるデモが発生している。ミシガン州では先週、州都ランシングの議事堂前に数千人が集まったほか、メリーランド州の州都アナポリスでも週末に数百人規模のデモが発生。民主党の州知事が共和党の営業再開案を拒否すると表明したペンシルバニア州では20日、州都ハリスバーグで大規模デモが行われた。
デモ参加者は、公衆衛生専門家に対する不信感や、実際の流行の規模を巡る懐疑的な見方を口にし、ウイルスそのものより有害な行き過ぎた措置を講じているとして当局者を非難した。
専門家らは、ロックダウンの解除を急げば感染の第2波を招く恐れがあると警告している。
こうした中、米ニューヨークのデブラジオ市長は20日、新型コロナウイルス感染拡大抑制策について、広範な検査が実施できていないため、緩和は数週間先になるとの見方を示した。
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