[21日 ロイター] - 米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI) (O:TXN)が21日発表した第1・四半期決算は、市場予想を上回った。一方、新型コロナウイルス感染拡大により半導体業界が大きな打撃を受ける見通しとなる中、第2・四半期の売上高と利益の予想レンジ下限は、市場予想を下回った。
TIはスマートフォンから自動車向けまでさまざまな半導体を供給しており、同社の決算は他の半導体メーカーよりも先に発表されることが多く、投資家は半導体と関連セクター両方の健全性を見極める手掛かりとして注目している。
TIは十分な在庫があり、新型コロナ感染拡大による障害への備えは整っているとする一方、需要面では不透明感に直面していると指摘した。
テンプルトン最高経営責任者(CEO)は、新型コロナの感染拡大によって半導体産業の構造が長期的に変化するとは見込んでいないと述べた。
TIは、サプライチェーンへの障害によって顧客の間で供給確保を巡る懸念が高まり、大方の市場で3月初めに需要が急増したとしている。
テンプルトンCEOは「COVID─19(新型コロナウイルス感染症)の流行でリセッション(景気後退)が見込まれるほか、顧客の需要を巡る不透明感が高まっており、2008年の金融危機をモデルに第2・四半期の見通しを立てた」と説明した。
第2・四半期の1株利益見通しは0.64─1.04ドル、売上高見通しは26億1000万─31億9000万ドル。
リフィニティブのIBESデータによると、アナリストの予想は1株利益が0.99ドル、売上高は31億5000万ドルだった。
さえない業績見通しにもかかわらず、TIの株価は引け後の時間外取引で2%上昇した。アナログ半導体など一部事業が、新型コロナの影響をあまり受けないとみられることや、同社が黒字維持と配当支払いに引き続き注力する方針を示したことが背景。
第1・四半期の1株利益は1.24ドルで、市場予想(1ドル)を上回った。売上高は33億3000万ドルと前年比7%減少したものの、こちらも市場予想(31億7000万ドル)を上回った。