[ロンドン 22日 ロイター] - 英政府のクリス・ホイッティ主席医務官(CMO)は22日、新型コロナウイルスによる感染症に対するワクチンや治療薬の開発に必要な時間を踏まえると、感染拡大抑制に向けた措置は「来年度」に入っても必要になる公算が大きいとの見方を示した。
英政府が外出制限などの感染拡大抑制策を実施し始めて5週間が経過。政府は16日、厳しい抑制策は少なくともあと3週間は実施されると表明した。
ホイッティ主席医務官はこの日の定例記者会見で、新型ウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン、もしくは治療薬が開発されて初めて通常の日常生活に戻れるとし、何らかのソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)に向けた措置はこれよりも長い期間にわたり実施される必要があると述べた。
その上で「来年度にワクチンと治療薬が開発される公算は極めて小さいため、現実的に考えると、社会的距離の確保などの措置に頼らざるを得ない」と指摘。ロックダウン(都市封鎖)から一夜にして通常の状態に戻ると考えるのは現実的ではなく、「かなりの長い期間にわたり多くの抑制措置が実施される必要がある」と語った。
英国の新型ウイルス感染による死者数は1万8100人。22日の増加数は763人だった。増加数は4月9日に980人とピークを付けてからは、449─917人の間で推移している。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200422T210736+0000