[ワシントン 30日 ロイター] - 米民主党のペロシ下院議長は30日、州・地方政府向けの新型コロナウイルス対策として、数年間で1兆ドル近い支援が必要になるとの見方を示した。
記者会見で、州・地方政府への資金支援は民主党の次の新型コロナ対策法案の中核になるとし、「目下1兆ドル規模で協議している」と指摘。「全てをカバーできるわけではないが、州や地方を持続可能な状態に保てる範囲でカバーすることがわれわれの目標だ」と語った。
ペロシ氏は先に、CNNに対し、追加支援では各州を最長4年間、支えることを目指すと語っていた。
同氏が州や地方政府向けの新型コロナ対策で1兆ドルという大きな数字を口にしたのは初めて。州知事らは公的医療費や税収補填、就労支援などで5000億ドルの支援を要請していた。
一方、共和党の重鎮であるジョン・コーニン上院議員は、民主党の提案に否定的な反応を示した。コーニン氏は記者団に対し、州や地方政府にはすでに1500億ドル支援しているとし、1兆ドルとは「かなり法外な額だ」と語った。
また、共和党のマコネル上院院内総務はこれまで州や地方政府への追加支援に理解を示していたが、30日にFOXニュースに対し、新型コロナと関係なく、過去の誤った判断で苦境にある州を将来世代から借金で支援することに関心はない、と語った。
マコネル氏は、新型コロナ関連の訴訟から企業を守る体制の整備を求めているが、民主党はこれに反対している。
ペロシ氏は会見で、ブロードバンドアクセスの拡大など、州・地方政府向け支援の他にも対処したい問題があると発言。共和党のマッカーシー下院院内総務も30日、ブロードバンドアクセス拡大に関する協議を支持した。法案はまだ提出されていない。
ペロシ氏は下院での審議再開については5月11日からの見込みとしたが、新型コロナの動向次第で変更される可能性があると述べた。上院は来週の審議再開を予定している。
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