[ワシントン 9日 ロイター] - オバマ前米大統領が自身の政権で働いた人々との電話会議で、トランプ大統領の新型コロナウイルス流行への対応を「混沌としている」と批判したことが、関係筋の話で9日、明らかになった。
トランプ氏は、新型コロナ感染拡大との戦いに必要な物資の確保などの問題について、オバマ前政権の責任を指摘してきたが、オバマ氏はこれまで責任の所在を巡る論争から距離を置いてきた。
ただ、8日に開催した前政権で働いた3000人との電話会議では、11月の大統領選に向けて民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領を支持するよう促した。
電話会議の内容はヤフーニュースが最初に報じた。事情に詳しい関係筋はロイターに、報道された内容は事実だと確認した。
オバマ氏は会議で大統領選について「特定の個人や政党を巡る戦いにとどまらないため、非常に重要」だと指摘。「米国内で強まりつつある、自己中心的で自らの民族を優先させ、分断主義的で他人を敵とみなす長期的な傾向との戦いになる」と強調した。
こういった傾向は、「現在の世界的な危機への対応がこれほどまでに精彩と一貫性を欠いている」理由の一つだとした。
「最高の政府でも上手く対応できなかっただろう。『自分へのメリットは何か』や『他人はどうでもいい』という考え方で米政府が動けば、完全に混沌とした大惨事になる」とし、「だからこそ私はバイデン氏の選挙活動のために最大限尽力する」と表明した。
オバマ氏の事務所はコメントを控えた。
ホワイトハウスのマクナニー報道官は、トランプ氏は新型コロナ感染拡大に「前例のない」対応を取り、米国人の命を救ってきたとコメントした。