[シドニー 11日 ロイター] - オーストラリアのフライデンバーグ財務相が12日に行う演説で、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)などの多くの新型コロナウイルス感染拡大抑制措置が7月までに解除された後は、オーストラリア経済は毎月94億豪ドル(61億5000万米ドル)押し上げられるとの試算を示すことが分かった。
モリソン首相は先週、感染拡大抑制策を3段階に分けて緩和し、7月には大部分の抑制策を解除する計画を発表。フライデンバーグ財務相は12日の演説で抑制策緩和による経済的な恩恵について説明する。
報道機関に公表された演説の概要によると、フライデンバーグ財務相は「3段階の緩和によりオーストラリアの国内総生産(GDP)は毎月94億豪ドル押し上げられる」と予想。週内にも開始されるとみられる第1段階の緩和では毎月31億豪ドル押し上げられるとの試算を示す。
政府・中銀はこれまでに合計3200億豪ドルの新型コロナ対策を発表。フライデンバーグ財務相は向こう1年3カ月で政府は年間GDPの15%に相当する3000億豪ドルを超える資金を調達する必要があるとの見方を示した。
オーストラリアの感染者数は約7000人、感染による死者は97人と、米英などに比べるとかなり抑制されている。