[ワシントン 12日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のシニアエコノミストは12日、アジアと欧州諸国が新型コロナウイルス感染防止に向けたロックダウン(都市封鎖)措置を性急に解除すれば、感染の第2波到来のリスクにさらされると警鐘を鳴らした。
IMFのイ・チャンヨン・アジア太平洋局長とポール・トムセン欧州局長はブログへの投稿で、性急なロックダウン解除によってさらに人命が失われ、一段の経済的損害を招く恐れがあると警告。「アジアと欧州経済は異例のロックダウンからの脱却計画を慎重に進め、早期にあまりに多くの行動を取る衝動を抑えるべきで、さもなければ第2波を招くリスクが伴う」とした。
南アジアおよび東アジアの新型コロナ感染者数は25万人超、死者は9700人に上る。中国、日本、インド、インドネシア、シンガポール、韓国の感染者が全体の85%超を占める。
欧州での流行はさらに深刻で、感染者数は180万人と、世界全体のほぼ半分を占める。死者数も16万人に迫っている。
IMFは欧州諸国の一角で経済活動の段階的な再開プロセスが始まっていることについて、中国と比べると早すぎるように思われると指摘。さらに、欧州では大規模なウイルス検査や感染者との接触追跡といった態勢の整備が一部のアジア諸国に比べ遅れている可能性があるとし、「欧州が中国などの一部アジア諸国に比べ、さらなるリスクにさらされているようにみえる」との認識を示した。
同時に「新型コロナに対し自信をもって勝利を宣言できる国はない」とくぎを刺した。